2009年4月23日木曜日

琵琶法師

金田一春彦『四座講式の研究』(三省堂、1964年)という本(玉川大学出版部「金田一春彦著作集」第五巻所収)によれば、真言宗や天台宗に伝わる仏教音楽である声明《しょうみょう》のなかでも、日本語の歌詞を持つ「講式」という種類の声明は、古いもので鎌倉時代末期の日本語のアクセントをかなり正確に伝える資料となるという。

講式の譜は、歌詞の各仮名の横に「|」「\」「―」のような形をした節博士《ふしはかせ》という記号を付けた体裁をしている。これがその仮名を詠む際の音程を表しており(この記号の意味は講式の流派によってそれぞれ違っている)、それにより講式が作られた当時のその語のアクセントがわかるわけである。この話はすごく面白いのでそのうちまたあらためて書いておきたい。

琵琶法師の弾き語りにはまさか譜に相当するものはないだろうが、こういう中古中世の音韻の痕跡のようなものは残っていたりするのかな。

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