2009年3月26日木曜日

四の君の再婚

ストックが切れてしまって、一週間空いてしまった。

男君は中納言家の三の君と四の君にあてがう新しい婿を見つくろう。ちょうど筑紫(つくし)の師(そち)として太宰府に下る男性が妻に先立たれたというのを聞き、これに四の君を、ということになる。このあたりは四の君本人を蚊帳の外にして決められていく。

あれよという間に四の君との結婚が実現するが、筑紫の師はそのうち太宰府に行かなければならない。これに四の君は同行することになる。ところで四の君には十一になる娘がいる。面白の駒との子とはいえ、四の君は娘をかわいく思っている。師には先妻との間に子が幾人もいるが、そのなかに四の君が実子を連れて妻としてやってくるのはよろしくなかろうということで(四の君は継母になるわけである)、四の君は娘と別れなければならないのかと悩む。

そこで女君が出した入れ知恵が、娘を旅の心細さを慰めるために母北の方が四の君に付けたお供として同伴させるという案だった。あったまいい! とみんな感心するのだが……、そうか? 自分の娘をそれと周りに告げることもできないまま連れて行くことになる四の君は、気の毒というほかないように思う。

長々とあらすじを書いてきたけど、僕が気になったのは、それでこの三の君と四の君の離別再婚は、どういう意図で書かれてるんだろうかということだ。お話が「男君の一族が繁栄してめでたしめでたし」で終わらないことで、物語に厚みを与えるという効果は結果として出ているけど、じゃあこの後半部分はなにを描こうとして続いているのかと考えてみても、どうもぴんとこない。このあと、面白の駒と四の君は離別をほのめかす歌のやりとりをするんだけど、そこはなんだか義務的にとってつけたような感じである。源氏物語のような、男女の仲の「あはれ」を描こうとしているのかな、と一瞬思わせもするんだけど、そういうことの核心にせまるような描写には入っていかない。それで北の方がどんな憎まれ口をたたいたとかはすごくうまく書いている。なんか徹底してないんだよなあ。

第四巻にもなると、語り口は直線的牧歌的だった物語前半と比べるとずいぶん変貌していて、小説的な、各登場人物の性格がからみあって筋が進んでゆく、俗にいう「キャラが立っている」状態になってきている。それだけにこの不徹底さが気になる。「新体系」の解説にはいみじくも、「安易に男性作家であるように考えられているとしたら、確実なその証拠はどこにもないことに十分に醒めておきたいように思う (p. 409)」などと書かれているが、肝心な三の君・四の君の心理描写のところだけがすっぽり抜けているようなこの書きぶりは、やっぱり男の文章なんじゃないのかな。

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